恋愛を科学する

現役東大生が昨今の恋愛研究や、自身の恋愛研究を紹介します。既存のメディアの均一的な情報に皆さんの恋愛が左右されることがないよう、実際の恋愛のありようや、行われている恋愛研究など最新の知見を通して知ってもらえたらなと思います。行動経済学・メディア学・社会心理学なら少しは語れる。かも。

若者は恋愛がしたいのか?昨今の研究、調査から読み取る若者の積極性

こんにちは。わなみあやです。夏休み、案外暇かなあと思っていたけれどビジネスコンテストやら9月の出国に向けてやらでなんだかんだで落ち着きのない日々が続いています。他大学の学生は、サークルでこの時期忙しいらしいけど、これにサークルをやる余裕なんか絶対ないなあと痛感しています。

 

さて、今回は内閣府や国立社会保障・人口問題研究所が発表しているデータをもとに、若者の恋愛事情に関して少しでもまとめられたらと思います。社会の諸変容を前にして、これまで青年期の人々は恋愛をしたいという考えを持っていることを前提として研究が進められてきた風潮が変化してきました。この社会の変容がなにか、あらゆる手掛かりを使って明らかにすることも、今後行っていきたいことの一つでもあります。(例えば、アイドルとか、SNSとか…)

この変容の結果、恋人がほしくない、恋愛をしなくてもいいという若者が増えてきたよ(いわゆる草食系男子が増えた?)という論調が、増えてきたように見受けれらます。

まず、恋愛をしようと思わない若者たちという立場、論調に立って話をしたいと思います。

2015年に内閣府がおこなった、「結婚・家族形成に関する意識調査」では、20代の未婚者で恋人がいない人のうち約6割は恋人がほしいと考えている。…これは、6割しか、でしょうか?これは2011年の同調査では、7割の人は、恋人がほしいと回答していたのに比べると、恋人を欲しいと思わない人が増加していることを示しています。

要は、年々若者は恋愛をしたくないと考えているそうですが、本当にそうなのでしょうか?こんなに日々恋愛恋愛って、いろいろメディアが騒いだり、身の回りの人が話をしていたりしているのに…

先述の調査は、既婚者、恋人がいる人を分母に含めていません。彼らは、恋人や結婚相手がほしくないと恋愛関係を形成しないわけですから、分母に「非リア」という偏りが見えるわけです。そんななか、そういう質問をしていれば、そりゃあほしくないっていう人の割合も多くなりますよね。

で、だいたい割合が増えているよねっていうのが恋愛研究の様相なんですが、オーネット(2018)では、交際相手がいないと回答した若者のうち、76.5%が恋人がほしいと回答しています。逆に、欲しくないと回答している人は9.3%です。最新の調査結果は、若者の草食化の傾向がもはや終わっているのではないのでしょうか?ということを明らかにしているような気がします。

 

以上をまとめると、若者が恋愛をしたくないという論調に向けて、発したいこととしては、
①調査方法に偏りがある調査の結果を利用してはいないか?

②そのトレンド、実はもう終わっていないか?

の2点です。

 

若者が恋愛をしない理由が、心理学的論究(アイデンティティ理論など…)、恋愛は面倒だとかいう回答が多いこと、社会の変化(大量消費社会に生きるからみたいなあれ)諸々「後付けで適当な都合のいい」理由をつけて論じている時代遅れな研究者がたーーーーーーくさんいらっしゃいます。

今後、恋愛をするようになったよねっていう論調が目立ってきたら、また「後付けで適当な都合のいい」理由をつけて研究者たちは論じるのでしょうか?この矛盾、つきつめて考えると面白いと思うんですよね。経済学からどうからめて論じてみようかな、ゼミとかで着目してみたいなあ…

 

というわけで、今回は若者の恋愛事情について論じてみましたが、意外な違いがみつかりました。今後も、この恋愛研究のメインストリームの中にはらんでしまった矛盾を考えていってみたいです。