恋愛を科学する

現役東大生が昨今の恋愛研究や、自身の恋愛研究を紹介します。既存のメディアの均一的な情報に皆さんの恋愛が左右されることがないよう、実際の恋愛のありようや、行われている恋愛研究など最新の知見を通して知ってもらえたらなと思います。行動経済学・メディア学・社会心理学なら少しは語れる。かも。

「東京ラブストーリー」と恋愛研究

こんばんは。また久しく合間ができてしまいましたね。わなみあやです。経済学部での周りの意識高い就活に巻き込まれ、ばたばた…って感じでなかなか大変ですが、この研究を大成させるためのツールとしてのブログも、頑張らなきゃと思う日々です。このブログの更新、できる限り頑張っていきます…テスト前ですが。ちなみに個人的には金融のことについて学ぶのが一番大変なうです。

今回は、東京ラブストーリーをみて、つらつらと考えたことを述べていきたいと思います。

 

「あの日あの時あの場所で君に会えなかったら」で有名な「ラブストーリーは、突然に」が主題歌の東京ラブストーリー。初めてその曲に触れたのは、小学校の時台湾に向かう飛行機のなかででした。

ストーリーは知らないものの、いい曲だなと小学生ながら思っていたのを想起します。今回、踊る大捜査線をたまたま見ていたことも相まって、少しばかりみてみました。20年近く前のドラマは、私にとって非常に新鮮に映るものでした。織田裕二が若い…

見てみると、想像以上に社会観の変化が際立って説明されているようなドラマだったので、かなりひきこまれてしまいました。

 

1990年代は、女性の社会進出という観点において、過渡期であったことがドラマから理解することができます。仕事と結婚とのはざまに悩む女性が描かれたり、結婚と恋愛の連続性に悩む女性が描かれたりと、このドラマの特徴をあげれば枚挙にいとまがありません。

本当の想いを伝えるのに苦労する人々と、世間の恋愛観の変遷など、非常に興味深いドラマであります。「積極的な女性」という存在など、この時代ならではの社会様式のありようが理解できます。コミュニケーションツールがそんな多くない時代において、男女はどのように距離を縮めればよいのかは気になる点でした。SNSの出現や、連絡手段の変化など、20年で人々の行動様式が大幅に変化していることがわかると思います。現代の「コミュニケーション空間」の変化は、どのように恋愛行動を変化させることとなったのか、その考察は今後行われていくべきものであると考えます。(そんな時間は私にはありませんが…)

その当時どのように人々が行動し、どのような恋愛観を形成し、どのように恋愛という文化を発展させることができたのかを知るのには、このようにその時代に発現した文化(漫画やドラマ、歌詞など…)を知ることが必要不可欠なのでしょう。

 

愛とはなにか。この問いは時代ごとにとらえ方が変化し、答えも変わっていくことでしょう。独特な「移行期」たるこの時代、リカや完治などの登場人物は、あらゆる方法で愛をとらえます。それは、気軽なデートから一晩を過ごすということまで、あらゆる事柄に対して、他人はこう考えているのか、とそのギャップに悩まされ、自分が伝えたこと、他人に言われたこととあるべき恋愛観や自己が描いている思いとの違いに対しその時々でたくさんの感情を抱いていきます。

結末はまだみていないのでわかりませんが、このドラマで共有されている恋愛観と、今の恋愛観との比較は、新たな視野を恋愛研究に導入し、示唆してくれるものでしょう。

 

 

これらの分類や、分析を通し明らかにされている事柄もあると思われます。「恋愛の社会学」や、「恋愛ドラマとケータイ」という書籍を読めば、そのような研究が紹介されています。夏休み中に、この両著をまとまられたらと思いますが…

結婚の社会学・経済学①ー結婚観の変化と非婚率の上昇ー

しばらく間が空いてしまいましたが、なんとか少しずつ少しずつ自らの研究や考えたことの発信を進めていきたいと思います。

先日、私の学部ではタームテストがありました。成績としては、まあ可もなく不可もなくといったところでしょうか。ただ、卒業に必要な単位が揃えられるといいなあ…って感じですね。1限は出たくないけど、出ないと単位の回収が難しいのかなあ…

 

今回からは、結婚について取り上げます。結婚観の変化や結婚を取り巻く社会的風潮を考察することで、非婚・晩婚化がなぜ進行してきたのかを考えてみたいと思います。

かつては、皆婚社会と言われるほど、結婚率は高かったが、未婚化が進行してきている。ここにおいて、考えられる理由は多くある。例えば、「結婚しない選択」を女性が取れるようになったことは、理由の一つであろう。かつてより女性の社会進出が進んだことで、女性が男性と協力して暮らしをしていく必要がなくなったことは、社会的風潮をみても明らかである。ドラマなどいろいろなメディアに発現している「女性像」もへんかしていることも、合わせて女性の社会進出を示している。ほかには、逆の考え方として、結婚しないのではなく、できないという考え方も存在する。若者の恋愛行動の変化や、それを取り巻くあらゆる社会的情勢の変化は、結婚に対して「障壁」を生み出したのではないのだろうか。今回は、まず後者の「結婚できない観」にもとづいて論を進めようと思う。障壁は、なぜ生み出されているのだろうか。

2015年に国立社会保障・人口問題研究所が行った調査によると、いずれ結婚するつもりと考える未婚者の割合は、男性 86.3%、女性 89.4%で、かなり高い水準を示している。同調査で、25 歳~34 歳の独身者に結婚しない理由を聞いたところ、「適当な相手にめぐり会わない」「結婚資金が足りない」という回答が上位を占めている。ここにおいて、結婚したくてもできないという若者の有り様が浮かび上がることがわかる。

また、2014年の内閣府による結婚観の調査によると、結婚したい人々の割合は77.7%を占めている。それなのに未婚化が進行しているというのは、何かしらの問題が社会に生じているのではないだろうか。

先程、女性の社会進出が進出したとは述べたものの、性別分業や、残存するあらゆる問題は、女性が非婚を無意識に選択するように振る舞う社会をつくりだしているのかもしれない。人々が結婚を望んでも、それを許さない社会のあり方や、家庭の様相の変化が非婚を導いている可能性が高い。どのような変化が非婚を招いているのかは、次回の記事で詳しく説明することを試みたいと思う。

今回はデータを取り上げることのみにとどまったが、次回はいろいろな調査を取り上げ、結婚できない人々の考え方を考察していきたいと思う。今後は、結婚につながる恋愛観の変遷にも迫っていければと思う。

恋愛の5段階の説明

こんにちは。

今日も本郷キャンパスのECCS端末で、恋愛に関しての研究をすすめていました。わなみあやです。
いずれ本郷キャンパスでの日常に関してもお伝えできればなあと思ってるんですけどね。案外普通の大学生と同じようなことしてますよ。たとえ本郷の東大生といえども…

さて、今回のテーマは、恋愛の5段階に関する説明です。

まず、1つ目。George Levingerによると、恋愛のプロセスは大きく分けて5つあります。Attraction,Building,Continuation,Deterioration,Endingの5つです。一つずつ、順に説明していきます。

①Attraction(出会い)
これまでの経験からご存知かと思いますが、見栄えは第一印象を形成する上で非常に大切なものです。恋愛関係の形成全部が見栄えに依拠しているわけではありませんが、きっかけとして重要なものになります。生態学から考えると、説明がつくでしょう。我々は生き残るために、よりよい種を探さんとするのです。出会いというのは、ただ単に最初のステップであるので、今後の展開がより重要です。

②Building(関係形成)
ここにおいて私たちは恋人候補を特定し、より仲良くなろうとします。短い会話などを通し、うわべだけの会話にとどまらない形で、付き合う可能性のある異性と親密になっていきます。共通の趣味や価値観を見つけ始め、他愛もない会話をして仲良くなっていくのです。

③Continuation(関係の継続)
この段階までくると、「相手に惹かれている」状態であるといえます。また、相手との共通認識が芽生えています。さらに相手に自己を開示する段階ともいえるでしょう。しかしながらも、注意深くある必要があります。健全な関係の育成には、成熟した人間性が要求され、自己提示の程度には、バランスが取れていないといけないのです。

④Deterioration(関係の劣化)
すべての関係が続くわけではないのですから、時にはかつてほど満足感が得られないことがあるでしょう。そんなとき、恋人との関係が劣化したと感じます。何か関係を維持するのにできることがあるときもありますが、何もなす術がないときもあります。それは、恋人とは違う道を歩み始めている、ということかもしれません。

⑤Ending(別れ)
一緒にいるより、別れたほうが互いのためだということを両者が認識している期です。たいていは、片方がもう一方より関係維持のために努力をしてきています。その努力をしてきた側が、不安や嫉妬を覚えている場合、両者の間に起こった出来事はよくないように受け取られます。しかし、大人の態度でふるまい、話し合い、単に相容れなかったり、タイミングが悪かったなという結論に至れば、関係の解消は難なく終わります。

 

このように、恋愛関係は5つのステップに分かれます。必ずしも恋愛は「素晴らしい結末」をもたらすものではないのです。(すでに皆さんはお分かりのこととは思いますが…)今後は、この分類を意識しながら執筆を進めていく予定です。

 

恋愛を表象するメディアたちー恋愛をメディアから科学するー

今回は、メディア学から近年の恋愛を科学していきたいと思います。
マスメディアやネットワークメディアがどのような影響を与えたのか考察している研究は未だ少なく、社会世相を表象していると考えられるメディアを研究することで、現在の恋愛の社会的風潮を知ることができるでしょう。
心理学や生態学などを研究することとは違ったマスメディアやネットワークメディアの変遷を研究する事によって得られる昨今の恋愛の奥手化、恋愛離れにみられる背景やその解決策をメディアにあらわれる恋愛を研究することで追求したい。
相羽(2006)では、雑誌とホームページを対象として、恋愛記事の内容分析を行い、雑誌では交際前に関する記述が多いことを明らかにしています。
『恋愛の社会学』、『恋愛ドラマとケータイ』の両著では、マスメディアの持つ影響力の強さゆえ、社会的な規定を受けている恋愛の研究においてマスメディアの言説を外せないと説いており、実際に雑誌や漫画が描く恋愛の諸相や携帯が恋愛ドラマにおいて果たす役割などを研究しています。この両著に関しては、いずれ詳しく取り上げていきます。
しかしながら、2010年代において、新しいSNSやメディアの登場に伴う人々の恋愛行動の変化が見られると考えられるが、そのことを研究している論文はかなり少ないのです。並びに、実際の恋愛における問題状況が現代の若者が目にするメディアの提供する言説と比較しどのようなところに同じ点や異なる点が存在するのか研究する必要があるといえるでしょう。
言説を生み出す人々の信念や願望を言説は反映しており、昨今の恋愛の風潮を表象していると考えると、今後は恋愛に関するネットメディアが現れることになった社会的背景を現代のメディアの特徴を通して考察するのが望ましいのではないのでしょうか。

文章が比較的固いかなとは思いますが、次回からはメディアにあらわれる言説の変遷や、現代のメディアが提供する恋愛に関する記事は、如何様にして発現したのかを考察していきたいと思います。

『恋愛を科学する』

こんにちは。東京大学3年のわなみあやと申します。
1年生の頃から、少子化や晩婚化に問題意識を持っており、原因を明らかにするために、青年期の恋愛行動について研究しています。これまで多角的な分野から研究を続けて来ました。

このページでは、その研究や、これまで考えてきた恋愛に関する知見を紹介しています。

恋愛は青年期における重要な関心の一つであり、メディアなどで取り上げられることも多いことから、人々の高い関心が集められていることがわかります。​しかしながら、内閣府の調査からも分かるとおり、恋愛から離れる若者の存在が指摘されています。

​これまでの恋愛研究は、社会学や心理学、生態学から行われてきました。しかしながら、経済学やメディア学から行われてきている研究は2010年代非常に少なく、現在の多様化してきている青年の恋愛について明確に解明されているとはいいがたい状況です。そんな恋愛研究のこれまでを俯瞰し、今後どのような研究が求められているのかを知ってもらいたいと思っています。

 

  • ネットにこのように研究を紹介するようになった経緯

また、最近のネットメディアにのっているような恋愛に関する記事は感覚に頼られて記述されている点が多く、学術的には疑念が残っていると言わざるを得ません。多くのメディアが恋愛についてとりあげていますが、最近の多様化する恋愛を丁寧にとらえ、問題解決にとりくもうとしている記事は極めて少なく、無名なライターがやみくもに記事を書いているだけ、というのが現状です。中には、「この記事本当かな…?」と思った方も多いことでしょう。情報過多なネットでは、恋愛に関する記述はオーバーな表現をして、読者の気を引き続ける必要があるのですから、疑問や違和感が残るのも当然です。

そんなネットメディアに流れている記事が参考にならないなと感じているユーザーが、今抱えている問題に対して納得できるような論文の紹介や、研究成果の紹介をしていく予定です。そんな論理的な文章読みたくないなという方にも、理解していただけるように、平易に紹介していきます。

さらに、有用な恋愛に関する物事(ネットの記事やTEDのプレゼンなどなど)を紹介し、皆様の恋愛関係の形成に役立てていただきたいと思います。恋愛に悩んでいる大学生はじめ20代の皆さんに有効な手立てを紹介したり、自らの研究とあわせ解決策を提示していき、恋愛を科学していきます。

正しい「恋愛観」や「恋愛に関する知見」を知っていただくことを目的にして、今後執筆してまいりますので、どうぞよろしくおねがいします。

 

わなみあや