恋愛を科学する

現役東大生が昨今の恋愛研究や、自身の恋愛研究を紹介します。既存のメディアの均一的な情報に皆さんの恋愛が左右されることがないよう、実際の恋愛のありようや、行われている恋愛研究など最新の知見を通して知ってもらえたらなと思います。行動経済学・メディア学・社会心理学なら少しは語れる。かも。

結婚の社会学・経済学①ー結婚観の変化と非婚率の上昇ー

しばらく間が空いてしまいましたが、なんとか少しずつ少しずつ自らの研究や考えたことの発信を進めていきたいと思います。

先日、私の学部ではタームテストがありました。成績としては、まあ可もなく不可もなくといったところでしょうか。ただ、卒業に必要な単位が揃えられるといいなあ…って感じですね。1限は出たくないけど、出ないと単位の回収が難しいのかなあ…

 

今回からは、結婚について取り上げます。結婚観の変化や結婚を取り巻く社会的風潮を考察することで、非婚・晩婚化がなぜ進行してきたのかを考えてみたいと思います。

かつては、皆婚社会と言われるほど、結婚率は高かったが、未婚化が進行してきている。ここにおいて、考えられる理由は多くある。例えば、「結婚しない選択」を女性が取れるようになったことは、理由の一つであろう。かつてより女性の社会進出が進んだことで、女性が男性と協力して暮らしをしていく必要がなくなったことは、社会的風潮をみても明らかである。ドラマなどいろいろなメディアに発現している「女性像」もへんかしていることも、合わせて女性の社会進出を示している。ほかには、逆の考え方として、結婚しないのではなく、できないという考え方も存在する。若者の恋愛行動の変化や、それを取り巻くあらゆる社会的情勢の変化は、結婚に対して「障壁」を生み出したのではないのだろうか。今回は、まず後者の「結婚できない観」にもとづいて論を進めようと思う。障壁は、なぜ生み出されているのだろうか。

2015年に国立社会保障・人口問題研究所が行った調査によると、いずれ結婚するつもりと考える未婚者の割合は、男性 86.3%、女性 89.4%で、かなり高い水準を示している。同調査で、25 歳~34 歳の独身者に結婚しない理由を聞いたところ、「適当な相手にめぐり会わない」「結婚資金が足りない」という回答が上位を占めている。ここにおいて、結婚したくてもできないという若者の有り様が浮かび上がることがわかる。

また、2014年の内閣府による結婚観の調査によると、結婚したい人々の割合は77.7%を占めている。それなのに未婚化が進行しているというのは、何かしらの問題が社会に生じているのではないだろうか。

先程、女性の社会進出が進出したとは述べたものの、性別分業や、残存するあらゆる問題は、女性が非婚を無意識に選択するように振る舞う社会をつくりだしているのかもしれない。人々が結婚を望んでも、それを許さない社会のあり方や、家庭の様相の変化が非婚を導いている可能性が高い。どのような変化が非婚を招いているのかは、次回の記事で詳しく説明することを試みたいと思う。

今回はデータを取り上げることのみにとどまったが、次回はいろいろな調査を取り上げ、結婚できない人々の考え方を考察していきたいと思う。今後は、結婚につながる恋愛観の変遷にも迫っていければと思う。